祈るより、ただ待つより、練習のほうが効き目がある2012年03月11日 20時54分34秒


2112 黄金のフルートをもつ男
    ジェームズ・ゴールウェイ & リンダ・ブリッジズ / 高月園子 訳   時事通信社 (2011/9/15)

 彼(モイーズ)は、私に必要なのは、演奏を歌うことに関連づける事だと言った。彼は演奏の《ヴォカリゼーション(発声法)》を発達させるためのエクササイズをいくつか書いていたので、それをデモンストレーションし、そのコピーをくれた。
 今日もまだ、わたしはその練習法を用い、マスタークラスでは生徒たちに歌唱を習うようアドバイスしている。なにも、メトロポリタンでのキャリアを目指せといっているのではない。ある曲を演奏する前に、自分の目指すメロディーとトーンがわかるくらいになればいいのだ。このエクササイズはまた、より柔軟性のあるアンブシュールを発達させるのにも役立ち、それは批評家たちがわたしの演奏を讃えるときの重要な要素になった。   (P.112-113)

 この(マスター)クラスでわたしが一番教えたいと願うのは、いかに練習し、いかに学んだことから最大の結果を引き出すかだ。 (P.311)

 大きな共感を得る内容で読み応えあり。でも、お金に対する一種の執着、お金を得たことで得られる特権意識みたいなもの、王室などセレブリティ―に対する自慢と執着、は意外であり、やや興ざめみな感じもあった。子ども染みた無邪気さと思える面もあり、幼さがそのまま大人になったと思えばいいかなぁ。話の中に、ビジネスパーソンが全く登場しないのは、彼の問題か、ビジネスパーソン側の問題か、一つの大きな残念さが残った。

 なお、1988/3/6 カザルス・ホールであった“ジェームズ・ゴールウェイ フルート・マスタークラス”に出席した時のメモが、感動を再現するに役立つ。

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