伊藤さんと三月文庫 (2)2011年12月12日 14時21分13秒

先に伊藤さんと、ご自宅を子どもたちに開放しての「三月文庫」について書きました。
http://suishin.asablo.jp/blog/2011/08/31/6083778

彼女は私にとって比較的新しい友人ですが、大切な友人となっています。多くの共通の思いと、多くの違った思いを持っているといっていいと感じます。誤解を怖れず言えば、全く同じ思いを持っている人なら、そんなに大切な友人にはならないと思います。違った部分がお互いに大切にすべき貴重な部分です。 その彼女から、久しぶりに書き物が届きました。こんな思い、私の多くの友人ともシェアしたくて Blog に載せます。以下は伊藤さんの文章の一部です。(掲載の承諾を得て、また、短くするために少し編集しました。)

三月文庫でもよく見られる風景を二つご紹介します。
4年生の仲良しのふたり。文庫の部屋にいる間は、なにもかも忘れて本に没頭しています。1年生の時に、同じ頃入会したふたりは、いつも一緒に来ます。本棚の前にすわったまま、絵本、お話の本と気の向くまま、手に取ったり読み始めたり。気づいたら1時間以上たち、車の中で待つお母さんのことが気になります。「そろそろ、借りる本をきめたら?」ぼちぼち借りる態勢に入ります。そして、玄関に出ると「グリコしよう!」とジャンケンしながら階段をゆっくり降りていきます。あ~、階段下に着くまで、まだまだ時間がかかる…。いつもお待ちいただくお母さんには、敬服します。
また、幼稚園で仲よしだった友だちと、数年後に三月文庫でばったり出会う楽しさは、格別のようです。心安さが一段と深まります。なんとなく、乳きょうだいに会ったような、少し照れて、嬉しくて、懐かしくて…、いい幼稚園だったんだろうなあ!と思います。文庫で再会して、こんどは本を読むところで再会して、なんだか紙と文字の本がより楽しくなるじゃありませんか。

本には、必ず人が一緒です。本を選んで置いている人、何かの時は、すぐにちょっと手を貸してくれる人、ここまで連れてきてくれる人、送り出してくれる人、待っていてくれる人、一緒にくる友だちやきょうだい、いつも一緒の人、時々出会う人、この間であった人。そして、本の中には、たくさんの人がいます。楽しい人生、ちょっと悲しい人生(すみません、こんど、リンドグレーンのシーンとした絵本を数冊入れましたので)。お家で読んで聞かせてくれる人、その声は、数年たって一人で読むようになったとき、字を目で追って読む子どもの耳にもやっぱり聞こえていて、一人で読むのを助けてくれるのです。

今、文庫の本棚に、子どもが文庫で描いた絵が張ってあります。それには、鉛筆で小さく、「いとうさんちの本、おもしろくて楽しいよー、本だいすき♡」と書かれています。もう一枚にも「いとうさんの本、おもしろい」と。私は子どもが帰ってから、夜、事務処理をしながら気づいたのです。何よりもうれしい表彰状だなあ!と、思っています。また、この言葉に恥じぬように、子どもをがっかりさせないようにしなければなあ…と思っています。

お詫び:
最初にこの記事をアップした時、友人の写した写真を操作ミスで使ってしまいました。お詫びとともに新たな写真を入れて訂正しました。

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