今日の主役は、「バナナ」と「さくらんぼ」2012年02月16日 11時45分46秒



川崎市宮前区菅生小の一年生の「ふれあい学習」は、繰り上がり、繰り下がりのある足し算と引き算です。私たち大人は何も余計なことを考えないで、繰り上がり、繰り下がりのある足し算と引き算をやってしまいますが、子どもたちにどのように教えるか、どのように理解させるか、大きな課題です。学校での教え方に沿ってやらないと、子どもたちは混乱してしまいます。

毎回のことですが、「ふれあい学習」が始まる前に、学習支援ボランティアが集まって、菅生小の先生方からブリーフィングを受けて、事前の準備をします。30人程度のクラスに4-5人のボランティアが入って、先生のサポートをして子どもたちの理解の助けをします。

今回の主人公は、「バナナ」と「さくらんぼ」です。これを使って子どもたちは計算の考え方・プロセスを理解します。この「バナナ」と「さくらんぼ」が全国的に使われているのか、地域的なものかは知りませんが、私を含めてボランティアのほとんどにとって初めてのものでした。

たし算を写真で説明します。たされる数7にたして10になる数3を見つけ、10を作ります。これが「バナナ」です。たす数4をその数3と1に分けます。この1と先ほど作った10をたして11になります。10を基準にして考えます。これらが「さくらんぼ」です。写真の右の考え方が理解しやすい子供もいます。どちらでも、わかりやすい方で考えさせます。

引き算も二つの考え方があります。先ず、左側で説明します。ひかれる数14は10と4ですね。これが「さくらんぼ」です。この10からひく数7をひくと3になります。(「バナナ」)さきほど残っている4と今できた3をたすと、7になります。(「さくらんぼ」)もうひとつの考え方(写真右)は、14からひいて10にする数は4です。(「バナナ」)7をこの数4と3に分けます。そして、先にできた10からこの3をひきます。 7がえられます。(「さくらんぼ」)左のやり方を、「ひきたす算」、右のやり方を、「ひきひき算」と呼んでいます。子どもたちには理解しやすい方を使わせています。

答が合っているだけでは OK を出しません。この「バナナ」と「さくらんぼ」を正しく書かせることで、子どもたちの理解を確かめる教え方をしています。子どものなかには、これをやらなくてできる子もいますが、理解を深めるため、必ずやらせます。 

子どもたちの考えるプロセスをハンドオンで理解するのは、私たちボランティアにとって大きな収穫であり喜びです。学校の外でのコミュニケイションもこの積み重ねで良くなっていくと確信します。「ふれあい学習」の最終の時間には、「また来年も来てね!!」の声に送られて、ハイタッチをして教室をはなれました。