"算数名人"ボランティア、佳境に入る2011年12月02日 09時45分54秒

川崎市宮前区の稗原小学校での学習支援ボランティア「算数名人」が佳境に入っている。2年生のこの時期、掛け算の九九の学習が始まる。これを境目に授業に付いて行けず、学習に対して興味・情熱を失う子どもが出始めるのを改善したいとの活動である。

保護者・地域を結ぶ学校だより「ひえばら」H23.11.30 に掲載の岡部養一校長の言葉を紹介しましよう。(一部加工)

毎週金曜日の4校時、2年生の算数の授業で15名の算数名人(地域のシニア世代の方が中心)に学習支援のお手伝いをして頂いています。4~5名の算数名人が各クラスに入り、担当の先生の指導の下で子どもへの個別指導に関わったり、九九の唱えを聞き取ったりする等、子どもたちが九九の確実な習熟ができるよう支援しています。今年で3年目になりますが、九九の習熟とともにふれ合い交流の場として絶大な教育効果を上げているように思います。

「わたしは算数名人さんと勉強をしてとても楽しかったです。なぜかというとわたしは算数がきらいでしたが、算数名人さんにやさしくおしえてもらって算数がすきになりました。」、「ぼくは算数名人のおじさんときゅうしょくの時、いっぱい話しました。朝、学校に行くとき、算数名人さにあいさつをしました。」 これは、子どもたちの感想文の一部です。昨年、一昨年と2年生の時に教えてもらった今の3年生と4年生のほとんどが掛け算九九を完全に習得できましたし、算数名人さんと顔なじみにもなりました。子どもたちにとって、たいへん貴重な学びとなりました。

これからの学校において子どもの学び育ちに欠かせないことは、地域住民が授業に入ることが「当たり前」になることだと思います。教職員・保護者・地域住民が信頼関係を深め、連携し合って、子どもたちの健やかな成長を願い、子どもたちを育んでいくことが今後ますます大切になってくると思います。


岡部校長の発言は多くの点で、私たちと意識の共有が出来ていると感じます。この算数名人ボランティアの実績と評判によって、子育てを卒業した世代のお母さんなど何人かが、算数名人に新たに参加する動きも出ています。算数だけでなく他の課目などへの広がりともなるでしょう。

11月は定期試験対策の "プラス ワン"でした2011年12月05日 21時22分06秒

今回は稗原小の”算数名人”、菅生小の”ふれあい学習“、と共にボランティアで行っている菅生中の“プラス ワン” 学習支援の状況を書きます。掲載の写真は英語ドリルの一部です。

11月は定期試験の月に当たり、また、その他の事情から、通例の倍の6日も“プラス ワン” の時間が取れました。1~3年の全学年とも、先生から通知のあった試験範囲に合わせた試験直前のドリルを作成しました。これで力をつければ、60点は取れるよう、“プラス ワン”の狙い通り、レベル3程度の生徒をターゲットにしたドリルです。ドリル作成に当たり、今回は特に念を入れて、問題作成ミスの発見を兼ねて、私の二人の子どもと妻にドリルを解いてもらいました。試験対策なの教科書をベースにしたドリルなので、教科書を見ていない彼らは、「難しい!! 疲れた~~」と悲鳴を上げていたが、大いに役立ってくれたと思います。

定期試験直前の“プラス ワン”なので、参加の生徒たちは真剣で集中していて、通例の月だと何人かいる、さわぐ子どもはなく、ひきしまった雰囲気であったのはうれしいことです。初日はプラス ワン ドリルの印刷から始まりました。いつも“プラス ワン”に使っている金工室(数学)と木工室(英語)でやる子もいれば、部活を終えてから終了間際にやって来て、帰宅してからやりたいと、全種類のドリルを持ち帰る生徒たちもいました。

ボランティア講師と生徒のバランスの取れてない日には、ドリル 1ページを終えた生徒には、解答入りのドリルを渡して、生徒たち同士での答え合わせを指示し、わからないところ、あるいは、間違えたところを、持ってくるようにします。こうすることで、理解が不十分な生徒にマンツーマンで対応する時間を少しでも確保することもあります。生徒も、友達同士で、あれこれ考えながら書き込んでいたりして、自主採点と個人指導の流れも結構有効であったと感じます。

生徒たちの反応、見える熱意に、ボランティア講師の中に、充実感、達成感が通常の月よりあったとの声が聞かれた。これが何事にも代えがたいボランティアの醍醐味でしょう。小学生には小学生の、中学生には中学生の、違った対応と反応があり喜びも違いますが、子どもたちの成長に役立っている喜びは共通のものです。今後もこの喜びを胸に活動の広さ、深さを増していきたいものです。

伊藤さんと三月文庫 (2)2011年12月12日 14時21分13秒

先に伊藤さんと、ご自宅を子どもたちに開放しての「三月文庫」について書きました。
http://suishin.asablo.jp/blog/2011/08/31/6083778

彼女は私にとって比較的新しい友人ですが、大切な友人となっています。多くの共通の思いと、多くの違った思いを持っているといっていいと感じます。誤解を怖れず言えば、全く同じ思いを持っている人なら、そんなに大切な友人にはならないと思います。違った部分がお互いに大切にすべき貴重な部分です。 その彼女から、久しぶりに書き物が届きました。こんな思い、私の多くの友人ともシェアしたくて Blog に載せます。以下は伊藤さんの文章の一部です。(掲載の承諾を得て、また、短くするために少し編集しました。)

三月文庫でもよく見られる風景を二つご紹介します。
4年生の仲良しのふたり。文庫の部屋にいる間は、なにもかも忘れて本に没頭しています。1年生の時に、同じ頃入会したふたりは、いつも一緒に来ます。本棚の前にすわったまま、絵本、お話の本と気の向くまま、手に取ったり読み始めたり。気づいたら1時間以上たち、車の中で待つお母さんのことが気になります。「そろそろ、借りる本をきめたら?」ぼちぼち借りる態勢に入ります。そして、玄関に出ると「グリコしよう!」とジャンケンしながら階段をゆっくり降りていきます。あ~、階段下に着くまで、まだまだ時間がかかる…。いつもお待ちいただくお母さんには、敬服します。
また、幼稚園で仲よしだった友だちと、数年後に三月文庫でばったり出会う楽しさは、格別のようです。心安さが一段と深まります。なんとなく、乳きょうだいに会ったような、少し照れて、嬉しくて、懐かしくて…、いい幼稚園だったんだろうなあ!と思います。文庫で再会して、こんどは本を読むところで再会して、なんだか紙と文字の本がより楽しくなるじゃありませんか。

本には、必ず人が一緒です。本を選んで置いている人、何かの時は、すぐにちょっと手を貸してくれる人、ここまで連れてきてくれる人、送り出してくれる人、待っていてくれる人、一緒にくる友だちやきょうだい、いつも一緒の人、時々出会う人、この間であった人。そして、本の中には、たくさんの人がいます。楽しい人生、ちょっと悲しい人生(すみません、こんど、リンドグレーンのシーンとした絵本を数冊入れましたので)。お家で読んで聞かせてくれる人、その声は、数年たって一人で読むようになったとき、字を目で追って読む子どもの耳にもやっぱり聞こえていて、一人で読むのを助けてくれるのです。

今、文庫の本棚に、子どもが文庫で描いた絵が張ってあります。それには、鉛筆で小さく、「いとうさんちの本、おもしろくて楽しいよー、本だいすき♡」と書かれています。もう一枚にも「いとうさんの本、おもしろい」と。私は子どもが帰ってから、夜、事務処理をしながら気づいたのです。何よりもうれしい表彰状だなあ!と、思っています。また、この言葉に恥じぬように、子どもをがっかりさせないようにしなければなあ…と思っています。

お詫び:
最初にこの記事をアップした時、友人の写した写真を操作ミスで使ってしまいました。お詫びとともに新たな写真を入れて訂正しました。