三越+伊勢丹=顧客にどんなメリット? ― 2007年08月07日 21時04分57秒
AW Sunday, August 5, 2007 (1777 Vol. 35 / No.30)
噂に上っていたデパート業界のビッグ再編成が進んでいるようだ。大丸・松坂屋に続いて、三越(業界4位)・伊勢丹(同5位)の資本提携交渉がスタートした。その結果、売上高では、現在No.1 の高島屋および、大丸・松坂屋組を抜いてトップになると言う。いろいろな形の経営統合がある中で、先ず「売上高の足し算」が報ぜられる。まるで、これが最も重要なことかのように。いや、最も重要と当事者およびメディアは考えているのかも知れない。
三越は全国に15店舗、顧客は富裕層、一方の伊勢丹は東京中心の店舗展開、顧客はファッションに敏感な若年層、と補完関係にあり、提携によって購買、運送、商品開発、店舗管理の面で経費を大幅に削減できるとのことだ。しかし、顧客、地域が違えば、提携によるコスト削減は容易ではないはずだ。スーパー、専門店などとのパイの奪い合いに、何か手を打たなければならない状況であることは明らかだが、これがベストな選択か、と考えてしまう。売上高盲信、コスト削減の提携ストーリーが先にあって、その後に理屈が付いて行っていないか。
この提携に限らず、多くの経営統合、提携などのニュースを見て感じるのは、最も重要なはずの顧客・消費者の視点が、殆ど出てこないことだ。例えば、この提携で顧客に、寡占化に伴うディメリットがあるが、それを大きく上回る低価格化、新サーヴィスの提供などのメリットがもたらされる、とか言った具合に。その結果は、縮んで行くパイの奪い合いではなく、パイそのものを大きくする効果に表れるはず。その実現に、今回の統合、提携がこんな形で貢献する、と言った具体的な姿が見えて来ないのは、なんとももどかしい。企業、メディア共に、業界全般や企業側の論理でなく、私たち消費者の視点での説明、報道が切望される。
噂に上っていたデパート業界のビッグ再編成が進んでいるようだ。大丸・松坂屋に続いて、三越(業界4位)・伊勢丹(同5位)の資本提携交渉がスタートした。その結果、売上高では、現在No.1 の高島屋および、大丸・松坂屋組を抜いてトップになると言う。いろいろな形の経営統合がある中で、先ず「売上高の足し算」が報ぜられる。まるで、これが最も重要なことかのように。いや、最も重要と当事者およびメディアは考えているのかも知れない。
三越は全国に15店舗、顧客は富裕層、一方の伊勢丹は東京中心の店舗展開、顧客はファッションに敏感な若年層、と補完関係にあり、提携によって購買、運送、商品開発、店舗管理の面で経費を大幅に削減できるとのことだ。しかし、顧客、地域が違えば、提携によるコスト削減は容易ではないはずだ。スーパー、専門店などとのパイの奪い合いに、何か手を打たなければならない状況であることは明らかだが、これがベストな選択か、と考えてしまう。売上高盲信、コスト削減の提携ストーリーが先にあって、その後に理屈が付いて行っていないか。
この提携に限らず、多くの経営統合、提携などのニュースを見て感じるのは、最も重要なはずの顧客・消費者の視点が、殆ど出てこないことだ。例えば、この提携で顧客に、寡占化に伴うディメリットがあるが、それを大きく上回る低価格化、新サーヴィスの提供などのメリットがもたらされる、とか言った具合に。その結果は、縮んで行くパイの奪い合いではなく、パイそのものを大きくする効果に表れるはず。その実現に、今回の統合、提携がこんな形で貢献する、と言った具体的な姿が見えて来ないのは、なんとももどかしい。企業、メディア共に、業界全般や企業側の論理でなく、私たち消費者の視点での説明、報道が切望される。
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